心理カウンセラーの馬渕麻由子先生、澁澤梨絵先生の講演を聴きました。
「受験生の心理とサポートのあり方」についてでした。
ここでの受験生とは高校生あるいは浪人生向けの講演でしたが、子育てする上で示唆に富んだ内容でした。
カウンセラーの先生によると、自立と親への依存の中で葛藤が見え始めるのは思春期の時期(第二次反抗期)ということで、これはアイデンティティを確立する上で重要だということでした。私はこどもが自立を求めているならば、機会を与え、自由にさせてあげられたら素敵だと思います。最初はいろいろ失敗したり、してはいけないようなこともしでかすかもしれませんが見守りが必要かと思います。受験生ならではの心理としては秋には焦りと不安、夏の成果への不満足や後悔、冬には緊張、あがり、強い不安と混乱、あきらめ、逃げたい気持ちがあるそうです。
家庭でのサポートでは、世話を焼かない、先取りしない、禁止や指示をしない。見守り、待つ、任せる姿勢が親には求められます。かかわりのポイントとしては、こどもの話を聴く、認める、励ますことだそうです。親が思うことがあれば、アイメッセージ(私メッセージ)を使うのがいいとのこと。親として注意したい点は「なぜ?」「どうして?」と訊かないこと。ダブルバインド(二重拘束)しないこと。ダブルバインドとは、「勉強しなさい」といったのに、「家のこと手伝いなさい」と矛盾した内容で拘束することです。
叱りつけることは簡単ですが、言わずに見守ることはある種の忍耐がいります。私の場合は、大学受験に際して行動にどのような変化がみられるか、3か月から半年は待つ覚悟で接しました。大体は3、4か月待てば自主的に改善し行動に変化がみられました。好ましい行動が何なのかも示すことしませんでしたが、自主的に好ましい方向へ進んでいきました。行動が変化しても成績の向上という形で結果が出るのはさらに先になります。はやくて3か月、半年かかる場合もあるでしょう。見守るということは、信じるという言葉に言い換えることもできると思います。
結果が伴わないことはこどもの焦りをまねきますので、親の方が適切に励まし、いずれ結果となって現れてくることを伝えました。傾聴も大切ですね。なにげない話もしっかり聴くようにしました。
受験などで希望がかなわないこともあるでしょうが、しっかり受け止めてあげたいですね。
最後に、見守りと放任は違います。見守りは絶えず目配りはしていますし、何かのときは親として責任は負うことを明言してこどもに安心感を与えました。
二子玉川ステーションビル矯正・歯科
小児歯科担当 髙見澤 豊