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乳歯癒合歯の永久歯への影響について

乳前歯にしばしばみられる異常に癒合歯があります。癒合歯とは、隣り合った歯がくっついて1本の歯になっているものです。形態もさまざまで歯の見えている部分(歯冠)が完全に癒合歯して境目がわからないものから、歯冠部に縦溝があり癒合部が明らかなものまであります。

乳歯癒合歯のパターン3つあります。乳歯は前から順番にABCDEと呼びますが、上顎はAB、下顎はABあるいはBCの癒合になります。下に示す表をみていただきたいのですが、後継永久歯への影響が少ない癒合部位は下顎のABで8割強は永久歯が別々に存在します。これに対して下顎のBCの癒合が7割強で永久歯への影響がみられ、上顎のABでは65%に永久歯の先天欠如がみられただけではなく、30%で永久側切歯の形態異常や発育不全がみられたことから、合わせると全体の95%で何らかの異常がみられたことになります1)

参考文献

1)新谷誠康:乳歯の癒合歯が後継永久歯に与える影響.日本歯科医師会雑誌,65(12):6-14,2013.

二子玉川ステーションビル矯正・歯科

小児歯科担当 髙見澤 豊