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医史跡、医資料館探訪記66 リーかあさま記念館を訪ねて

リーかあさま記念館は、英国教会福音宣布協会の宣教師として1907年(明治40年)に来日していたメアリ・ヘレナ・コンウォール・リー女史の業績を称え建てられた記念館で、草津聖バルナバ教会に併設されている。

全国から温泉の効能を頼りにハンセン病者が集まり共同体を形成していた群馬県草津の湯ノ澤地区の惨状に胸を痛めたリー女史は、1916年(大正5年)に病者の人間回復とその生活を支える「聖バルナバミッション」を立ち上げた。リー女史は私財を投じ、また内外からの献金を用いて、聖バルナバ教会、病者のための聖バルナバホーム、幼稚園・小学校、さらに聖バルナバ医院を設立し、その運営に尽力。1000人を超えるハンセン病者にキリスト教を伝えるとともに、一人ひとりの人格や人権を重んじる救済事業を展開したのである。

リーかあさま記念館全景
内部は写真撮影禁止
非感染者の女子が入館していた旧マーガレット館。現存する唯一の建物。

1932年(昭和7年)になると、草津に全国で二番目の国立療養所栗生楽生園が開園し、高齢となったリー女史が引退、1941年(昭和16年)には聖バルナバミッションが解散され各施設も閉鎖された。

草津温泉とハンセン病の結びつきを感じる旅行であった。

二子玉川ステーションビル矯正・歯科

小児歯科担当 髙見澤 豊