歯の先天欠如の発現頻度は10%前後と比較的よくみられる現象であるが、6歯以上の先天欠如の発現頻度は0.1%とまれで遺伝的され、ヒトとマウス共通遺伝子として原因遺伝子が特定されています。今回京都大学大学院医学研究科高橋克(たかはしかつ)准教授(研究当時、現:公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院歯科口腔外科主任部長)、杉並亜希子同研究員(研究当時、現:トレジェムバイファーマ社研究員)、福井大学学術研究院医学系部門菅井学教授、愛知県医療療育総合センター発達障害研究所時田義人主任研究員、大阪大学蛋白質研究所高木淳一教授らの研究グループは、先天性無歯症モデルEDA遺伝子欠損マウスに、BMPシグナルを活性化するマウス抗USAG-1中和抗体を単回投与することにより、歯の形成が回復することを見出しました。EDAとかBMPとかよくわからない言葉は無視してUSAG-1 という蛋白質が乳歯歯胚(乳歯の芽)の脇にある永久歯胚(永久歯の芽)の発育を障害して先天欠如が起こることがわかりました。また、健常者でも永久歯胚の脇にもその次の永久歯の芽があり、USAG-1により生え変わりが起きないように抑制されていることもわかりました。
マウスでは抗USAG-1中和抗体は腹腔内注射のようですが、治験では静脈内注射あるいは点滴のようです。
治験の詳細などわかりましたら、ブログにアップしていきたいと思います。
二子玉川ステーションビル矯正・歯科
小児歯科担当 髙見澤 豊