乳前歯が、外傷でもなく動揺していることが時折見受けられる。ストロー状の異物が歯に嵌り、歯肉の中まで陥入した場合、異物はレントゲン写真にも明瞭に映らないし、容易に視認できないこともある。患歯は、歯周組織が破壊され動揺がみられる。
1歳0か月の女児で下顎左側乳中切歯の動揺と変色を主訴に来院した。動揺は前後左右方向にみられた。
歯肉溝(歯周ポケット)内に管状の異物を認めたので、歯石除去に用いる手用器具で切断し摘出した。
異物摘出後、患歯は動揺みられたものの固定等はせず経過観察とした。
一般的に破壊された歯周組織が再生することはないが、1歳0か月と低年齢のためか固定していなかったにもかかわらず、骨植は改善し動揺はみられなくなった。
ストロー状異物については時々小児歯科学会でも報告があり、事故を念頭に対応する必要がある。
二子玉川ステーションビル矯正・歯科
小児歯科担当 髙見澤 豊