日本医科大学橘桜会館(同窓会館)には著明な同窓生についての展示もあります。
一般に広く知られているのは野口英世ではないでしょうか。野口英世については伝記も多く、幼少期に囲炉裏に落ちて左手に大やけどをしたことは有名です。
独学で医術開業試験に合格したと思われていますが、実は済生学舎に学んでいたのでした。貧しかった野口は高山高等歯科医学院講師(東京歯科大学の創設者のひとり)血脇守之助の援助を受け済生学舎に学びます。
医術開業試験前期(筆記試験)は合格するも、後期(臨床試験)は左手のやけどのため打診ができないため受けられません。明治30年(1897年)血脇の計らいで帝国大学外科学助教授近藤次繁による左手の無償再手術を受けることになります。手術の詳細は写真に示しますが、大変な手術であることがわかります。手術は成功し、同年秋には後期試験にも合格します。21歳で医師免許を取得しましたが開業資金がなく、また左手を患者に見られたくないという理由から臨床医を断念し、基礎医学研究者の道を歩むことになります。
追記
済生学舎ギャラリーとして令和2年8月3日(月)より一般公開されています(要電話予約)。
二子玉川ステーションビル矯正・歯科
小児歯科担当 髙見澤 豊