小児歯科では多くの治療にラバーダムというゴムのマスクを歯につけることがあります。
現在の歯科材料の多くが歯に接着性がありますが、理想的な接着には乾燥状態が欠かせません。ラバーダムを装着することにより、口腔内の唾液を遮断するだけではなく、湿度つまり湿り気も遮断できます。湿り気、唾液を防ぐことを防湿(ぼうしつ)といいます。また、歯の神経の処置(歯髄処置:しずいしょち)あるいは根の治療(感染根管治療:かんせんこんかんしょち)の場合、無菌的な環境下で歯の根っこに詰め物(根管充填)することが理想とされますので、ラバーダムがある方が環境的にはより理想に近づくわけです。
ラバーの装着にはクランプという留め具を歯にかける必要があり、クランプが歯肉にあたると痛かったりするため、ラバーダムを嫌がる患者様もいらっしゃいます。ラバーダム防湿が理想的ですが、処置内容や患者様の協力度などにより簡易防湿(綿などで乾燥状態を得ること)で対応することもあります。
二子玉川ステーションビル矯正・歯科
小児歯科担当 髙見澤 豊