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乳歯列がすきっ歯(発育空隙と霊長空隙)

乳歯列期に歯と歯の間に空隙(歯間空隙)がみられることがあります。歯間空隙には霊長空隙と発育空隙があります。霊長空隙は、上顎乳犬歯の前方と下顎乳犬歯の後方にみられる空隙で、霊長類に特有にみられます。霊長空隙以外の歯間空隙を発育空隙といいます。写真に示す矢印が霊長空隙、それ以外の空隙が発育空隙となります。

乳歯列がすきっ歯(発育空隙と霊長空隙)

歯間空隙の発現頻度は、以下の表の通り、Group Aは1994~2000年に某歯科大学小児歯科を訪れた小児で男児36名(平均年齢4歳10か月)、女児35名(平均年齢4歳9か月)、Group Bは1974~1980年に同歯科大学小児歯科を訪れた男児33名(平均年齢4歳8か月)、女児35名(平均年齢4歳10か月)である。男女ともに空隙のない者の方が少数派であり、近年の方が有隙歯列の者が多い傾向にあることが示されている。

乳歯列がすきっ歯(発育空隙と霊長空隙)

永久歯への生え代わりを考慮すると、歯間空隙があった方が正常咬合獲得のためには望ましく、閉鎖型歯列は不正咬合の懸念があると考えられる。

参考文献

船津敬 弘,松本弘紀,田中光郎:日本人乳歯歯冠の大きさと歯間空隙との関連ー20年前と現在の比較ー,小児歯科学雑誌,  40(5):843-850,2002

 

二子玉川ステーションビル矯正・歯科

小児歯科担当 髙見澤 豊